こんにちは。
文部科学省がICT教育を推進していることは教員であれば誰もがご存知だと思います。
うちは一人一台iPadとApple Pencilを持っているので、
さぶろう先生の学校は羨ましいですよ!うちは公立なのでiPadを導入してもらえないからICTできないんですよー
とか言われるんですが、何をおっしゃられているのやら…
と思ってしまいます。
県がICTの予算確保しようがすまいが、一人一台端末を使って授業をするのはほぼ可能な世の中です。
その方法をこれから説明しようと思います。
一人一台端末を実現する方法
それはずばり、
全員好きなICT端末を一人一台持ってきなさい。
と指示するだけでOKです。
たいていの家庭は今iPadなり、Androidタブレットなりを持っています。
いや、持ってない生徒もいるよって思うかもしれませんが、そうではありません。
スマホも可能にしてしまえばいいのです。
一人一台のみ、スマホでもタブレットでも構いません。一台だけ学校のWi-Fiに繋いであげます。
いや、うちの学校Wi-Fi無理だから
というのなら、
ネットに繋がる端末を一台用意してね。
ということで解決です。
いやぁ、通信制限かかってて…
とかそんなことは知りません。
不要な動画をダラダラ見てるだけじゃないの?
といえば解決です。
ちょっと極論かもしれませんし、強引かもしれません。
ただ、それに舵を切ることができるかできないかがICTを推進していけるかいけないかの差になります。
もし、スマホを持っていないので有れば学校で予算をたてて予備を持っておけばいいです。
なんの問題もありません。
つまり、一番の問題は、県が、学校が、ICTを導入してくれないのが理由ではなく、ICTを大人が導入しようとしないことが一番の問題なんです。
それでも必ずと言っていいほど反論が出てくることは百も承知です。
- スマホはうちの学校では禁止しているから無理
- 授業中に使い出したらどうするのか
- 授業外でも使い出したらどうするのか
- スマホを持ってない生徒はどうするのか
- スマホだと画面が小さくて見えない
おそらく出てくる意見はこんな意見です。
こんなところだろうと思います。
スマホはうちの学校では禁止しているから無理
これに関してですが、学校はスマホ、禁止していますか?
朝回収して、下校時に返却してますか?
それとも持ってくること自体を禁止してますか?
もうすでにスマホは日本人にとって、切ってもきれない関係になっています。
我々以上の世代は皆、
スマホは勉強の妨げになる。授業中に遊ぶ生徒が出てくる。
という固定観念を持ちますが、取り上げてそれで終わりでいいのでしょうか。
取り上げるのは何のために取り上げているのでしょうか。
私は生徒のためではなく、教員が自分の授業を自分のやりたいようにしたいがためにやっているようにしか感じられませんがどうでしょうか。
私はこの切ってもきれないスマホやICT機器を取り上げて、学校にこういうものは持ってきてはいけないんだという教育はもう古臭いと思っています。
それよりも、スマホは常に携帯しておいていいから、けじめをつけて、自分で使うべき時とそうでない時をきちんと判断させ、モラルについて教えてやる方が大切ことなのではないかと考えています。
授業中にスマホを使い出したらどうするのか
実際、授業中にiPadで遊んでいる生徒はうちの学校もゼロではありません。
ですが、少なくとも私が授業で受け持っている生徒は現在遊んでいる子はゼロです。
もちろん怒られるのが怖いというので出さない生徒もゼロではないと思いますが、基本的には私は上記で挙げた通り、
メリハリをつけた使い方をするように最初の授業で時間をとって説明します。
学校指導でも徹底していますが、授業でも必ず言うようにしています。
指示を明確にすればいい話です。
でも中にはいました。
「さぶろう先生、iPadで遊ぶなと言っても遊ぶ生徒がいるので、iPad禁止にしてもらえませんか?本当、何でiPadなんて導入したんですか?」
私は何人かの先生にこう言いました。
「授業がつまらないからじゃないですか?私は生徒に問題があるとは到底思えませんけど」
でもこれが事実だと思います。
授業が魅力的で引き込まれるものなら生徒は遊ばないんです。また、iPadを取り上げたところで他の遊びをするだけです。
根本的な解決に全くならない。
だったら、iPad使って生徒が面白いと思える授業をしましょうよと私は思います。
人のせいにしたり、何かのせいにする人間は一生伸びません。私はいつもこの言葉を生徒に投げかけていますが、教員も同じです。
私が正しいのかどうかはわかりませんが、生徒にとって何が一番いいかを考えれば答えは明白になるはずです。
授業外でも使い出したらどうするのか
これも上記と同じですが、メリハリをつける指導をすることです。
ただ、そのメリハリがわからない生徒がいますので、ここではスマホOK、ここはNGというガイドラインは作った方がいいと思います。
ただ、注意しないといけないのは、
教師が引いたガイドラインなら生徒は平気で破ります。
だから、自分たちで考えさせてください。
自分たちで作ったルールは守ろうとします。
やってみたら気づきますが、生徒は結構厳しいルールを作ろうとします。
はい、作りなさいと言ったら、教員と変わらないルールを作り出すので、適度に誘導してあげるといいものができます。
そんな厳しくて、君たちはそのルール全員が守れるの?
何度かそういうやりとりをしていくと、教員も生徒も納得した形のルールが出来上がります。
うちの学校では、
- ゲームに関するアプリはダウンロードしていいが、授業中や学校では絶対にやらない。
- さらにゲームは時間を決めてやること。
なんてルールを作り出しました。
欲を言えば、時間を決めて誰とそれを約束するのかまで決めてくれたらもっとよかったですね。
また、授業外でICT機器は逆に生徒の創造性を刺激し、いろんなアイデアが出てきますので、個人的には縛りつけない方がいいと考えています。
部活や学校行事でICTをガンガン使っていこうという動きが出てきて、学校内だけではなく、保護者や外部の方からの評判もいいです。
文化祭では、教師の子供時代の写真をデータでかき集めて、小さい頃は可愛かった先生ランキングなんかやって盛り上がってました。
投票は外部の人もできるようにGoogleフォームを使ってやってました。
教育的意義があるのかどうかはわかりませんが、ICTを活用して、人々を楽しませようとしたことは意義のあることではないかなとおもいますし、社会に出てから必要なことではないかなと思っています。
スマホを持ってない生徒はどうするのか
今はほとんどそういう生徒は居なくなりました。
ですが、家の方針でそういうこともあるかもしれません。
その場合は貸し出しようの端末を学校側で用意してあげなくてはいけません。
大きい学校だと大変かもしれませんが、必要経費だと思います。
あとは何年か後にBYOD化を予告をしておくことも大事です。
新入生に対しては、ICT端末を使用することを伝えておいて、入学してもらえばいい話です。
年次進行で、何年後に100%端末所持をお願いしておきましょう。
スマホだと画面が小さくて見えない
これはあるあるですが、基本学校で使う場合、それで困ったことは私はありません。スマホでもズームできますし、使い方次第かなと思います。
ただ、Excelファイルを編集させたり、絵を描かせたりするのはしんどいので、その辺りは教員のさじ加減でうまくやっていくしかないでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
学校ICT化は実はほとんど環境が整っている世の中になっているんです。
ICT化されていないのは学校という組織が昔の価値観を維持しようとしているのが最も大きな要因なんです。
発想の転換でいくらでも生徒にクリエイティブな思考を持たせることが可能です。
いかに舵を切れるか。それが分かれ道だと思います。
記事が参考になれば幸いです。